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出光興産の大型石油タンカー「出光丸」(パナマ船籍)が28日、イランが事実上封鎖しているホルムズ海峡を通過し、名古屋へ向かっている。同船は日本の1日消費量の約0.6日分にあたる200万バレルの石油を積載している。イランの国営メディアは当局の許可を得たと報じ、今回の航行を前向きな兆候と位置づけている。
米国・イスラエルとイランの戦闘が2月末に始まり、海峡が封鎖されて以降、日本関係船がペルシャ湾を出て日本へ向かうのは初めての事例となる。この通過は国際的な緊張が続く中で、日本とイラン双方にとって外交的な意味合いを持つ。
高市早苗首相は29日、X(旧ツイッター)に「今般の日本関係船舶の通過を前向きな動きとして受け止めています」と投稿。政府として慎重に状況を注視する姿勢を示した。
今回の通過は、1953年に発生した「日章丸事件」を想起させる。当時、日本のタンカーがイラン原油を輸送したことで英米と対立した歴史があり、日本とイランの友好関係が注目される背景となっている。専門家は、この通過がさらなる緊張緩和につながる可能性を指摘する。
イラン攻撃を契機に世界的な原油供給不安が高まる中、日本政府はナフサなどの原料確保に緊急対応を進めている。パナマ運河の通航料高騰など物流面の課題も浮上しており、今後のエネルギー政策の転換を迫られる可能性がある。